当法人は1986年(昭和61年)、創立者釘宮誠司が「知的障害を持つ人たちが社会の中で暮らしていく方法」を医療の分野で支援できないかと模索し、大分市野田に博愛診療所を開院したことに始まります。
その後1988年(昭和63年)、地域精神科医療の要は「在宅医療」であると考え、県下に先駆け、精神科及び認知症デイ・ケアを開設、在宅での自立と社会参加への働きかけを行ってきました。
2003年(平成15年)には博愛病院を開院し、発達障害および知的障害に対する早期診断と一貫した在宅医療福祉支援システムを実現するため、「博愛こども成育医療センター」を開設しました。児童精神科医療の充実にも努力し、現在に至ります。
医療と福祉のハイブリッド支援
当法人では、発達支援はライフステージの全ての時期で連続した支援が必要であり、家庭、学校、就労の場において同一の概念で実践することが望ましいと考えております。「遊び込み療法」による「自由と構造化」を組み合わせた切れ目のない発達支援を実現するため、未就学児に対しては、児童発達支援センター「あそびのお城」を、就学期の児童には放課後等デイ・サービス「たくみのお城」を設置、就学後は精神科デイ・ケアと就労継続支援施設「ゲニー工房」「マイスター工房」、および生活介護を組み合わせ、小児から成人までの連続した医療と福祉のハイブリッド支援を実施しています。
てんかん診療
当法人は博愛診療所開設以来、てんかん診療にも力を入れてきました。知的障害、発達障害、てんかんは互いに併存率が高いことが知られています。今やてんかん診療を積極的に行う精神科病院は少なくなってきていますが、てんかんを持つ患者さんへの精神医学的、心理社会的側面の支援の必要性が無くなることは決してありません。当院では、てんかん患者さんに対しても、特性に応じた包括的な支援を提供しております。
私たちは、あたたかく質の高い「在宅支援」と「社会参加への支援」を確立することを基本理念に、小児から高齢者まで、様々な課題を抱える方々の安心と幸せを実現するため、これからも研鑽を続けます。何卒よろしくお願い申し上げます。
医療法人 謙誠会 理事長 釘宮 毅
私たちの支援の実際をご紹介します